メタボリックシンドローム
●メタボリックシンドロームとは?
動脈硬化の危険因子を複数持った、動脈硬化性疾患を起こす危険性の高い状態を「メタボリックシンドローム」と言います。具体的には、腹部肥満(内臓脂肪の蓄積)に加えて、高脂血症・高血圧・高血糖のうち2つ以上が重なった状態を指します。
これらの4つの危険因子は、いずれも同じような生活習慣がもとになって起こりやすいため、1人の人が複数持っていることが多いのです。
実際に、動脈硬化が進行して心臓病を起こした人では、これら4つの危険因子を併せ持っているケースが圧倒的に多くなっています。
●メタボリックシンドロームの診断基準
1998年にWHOで、2001年にはアメリカで、それぞれ診断基準がつくられましたが、欧米の基準で定められた数値は、日本の実情にそぐわない面もあります。というのも日本人は軽度の肥満でも動脈硬化性疾患にないやすいなど、欧米とは異なる特徴があるためです。
そこで2005年4月に、日本独自の診断基準が作成されました。
次にあげる4つの危険因子のうち、腹部肥満に加えて、残りの2つ以上の危険因子に該当すると、メタボリックシンドロームと診断されます。
(1)腹部肥満(内臓脂肪の蓄積)
内臓脂肪が多くたまっているかどうかを見ます。内臓脂肪と相関の高い、おへその位置でのウエスト周囲径を基準としています。標準体重で内臓脂肪がたまっている人もいるので、BMIは考慮しません。
「ウエスト周囲径 男性85cm/女性90cm以上」
(2)高脂血症 中性脂肪とHDLコレステロールの値で判定します。従来の高脂血症の診断基準を採用しています。
中性脂肪値150mg/dl以上
HDLコレステロール値40mg/dl未満の一方または両方
(3)高血圧 一般の高血圧の基準では「正常高値」と呼ばれている、高血圧の一歩手前の値を基準にしています。
収縮期血圧 130mmHg以上
または拡張期血圧 85mmHg以上
(4)高血糖 糖尿病の判定基準では「境界型」に分類される、いわゆる“糖尿病予備軍”の数値を採用しています。
空腹時血糖値 110mg/dl以上
●内臓脂肪は他の要素の大もと?
診断基準の中で最も注意したいのが、内臓脂肪の蓄積した「腹部肥満」です。
高血圧や高脂血症、高血糖は、内臓脂肪が多くたまっていると、起こりやすくなります。つまり、複数の危険因子が集まってしまうのは、内臓脂肪に何か原因があるとも考えられるのです。
一般に腹部肥満の人とそうでない肥満の人とでは、危険因子をもっている数は異なります。 例えば、標準体重の人でも、内臓脂肪がたまった腹部肥満だと、危険因子の保有率が高くなります。反対に体重だけで見ると肥満であっても、内臓脂肪が少ない人は、危険因子の保有率が低く、動脈硬化の危険性も低くなります。
●メタボリックシンドロームに打ち克つ!1
●微量栄養素の重要性肥満は基本的に摂取カロリーが消費カロリーより過剰になることで起こりますので、食べ過ぎや運動不足は肥満に直結します。しかし近年の日本人は、摂取カロリーの割りに肥満が多いようです。
1つには運動不足が原因ですが、摂り入れたカロリーを消費する能力が低下していることも一因と考えられます。
消化吸収した食物をエネルギーに変えるためには酵素がしっかり働き、代謝が円滑である必要があります。そのためには、ビタミン・ミネラルなどの微量栄養素が必要です。
血液中のブドウ糖は、ビタミンB群やマグネシウムなどの微量栄養素を使って細胞内に取り込まれてエネルギーを生み出します。
すぐにエネルギーにならない糖はグリコーゲンに変換され、肝臓や筋肉に蓄えられます。
しかし、貯蔵できるグリコーゲンの量は限られているために、過剰分は体脂肪として蓄積されます。
つまり、精製された炭水化物や加工食品ばかりを摂っていると、それが肥満を引き起こす原因の1つとなっていると言えるのです。
●メタボリックシンドロームに打ち克つ!2
●伝統食を大切に!日本人と欧米人には、腸の長さや消化能力、ホルモンの分泌や代謝能力の違いなどに様々な相違点があります。日本人の食習慣に欧米型の食事が入ってきたのは歴史的に見ればごく最近です。
日本人にとって短い間に伝統的な和食を減らし、欧米型の食事を増やすということは、民族特有の代謝システムに負担をかけることになります。
私たちが心がけることは、今以上に日本の伝統食である和食を取り入れることです。
日本は四方を海に囲まれ、新鮮な海産物、四季折々の野菜や果物、米を中心とした穀物などの食材を摂ってきました。
そのうえ納豆や味噌などの発酵食品に見られるように独特で豊かな食文化を持っています。
和食は日本の伝統的な食事でありながら、なおかつ日本人にとって必要な栄養素をバランスよく含んでいます。
旬のものは栄養価も高く、安価な上、生命力や季節感を感じることで心まで豊かになります。
残念ながら現代では昔と同じような食材で料理をしたとしても、公害をはじめ環境の悪化や添加物などにより、食材そのものに含まれる栄養価が著しく低下していることもあります。
また、多忙な社会環境のなかで食事を過度に制限してもかえってストレスになることもあります。
このような理由から、現代社会において理想的な食事をすることは極めて難しいと言えます。
したがってメタボリックシンドロームの予防や改善を含め、健康を維持するための食生活は、伝統食である和食を基本にするとともに、食の乱れを調整できるような優れたサプリメントを上手に組み合わせていくことが必要でしょう。
●メタボリックシンドロームに打ち克つ!3
●内臓脂肪を減らす救世主!リンゴポリフェノール!ダイエットを意識される方は、適度に運動したり食事に配慮するなどして体重管理に気を使っておられることと思います。さらにメタボリックシンドローム予防という観点からは、内臓脂肪を過剰に蓄積しないようにするか、早期のうちに減らすことが重要です。
でも分かっていてもうまくいかないのがダイエット。。まして内臓脂肪なんて急に言われてもどうすればいいか。。?
みなさん、そんな思いではないでしょうか?
ところが、私たちの身近な果物の中に理想的な素材があったのです。
昔から「リンゴは健康にいい!」と言われていますが、そのリンゴに少量含まれているポリフェノールと呼ばれる成分に内臓脂肪を減らす効果があることが、最近の研究で明らかになったのです。
すでにその成果は、学術誌や学会で発表されていますが、さらにそのメカニズムについてお話したいと思います。
食事から消化吸収された脂肪分は、主に肝臓で代謝されます。
そこで肝臓の中で脂質の分解や合成を行なう様々な酵素の活性を測定することにより、リンゴポリフェノールが脂質代謝に及ぼす影響を知ることが出来ます。
肝臓で脂質合成が高まると、中性脂肪値の上昇や内臓脂肪量増大につながるとされています。
この脂質合成酵素の活性が、リンゴポリフェノール配合群では対照群と比べて抑制されていたのです。
一方、脂肪を燃焼させる酵素の一つ、アシルCoA酸化酵素の活性は上昇していました。
これは肝臓で脂肪を速やかに減らしてしまう働きが活発化していることを示します。
つまり、カロリーが過剰な食事であっても、リンゴポリフェノールを一緒に摂っていれば、余分な脂肪を蓄積する“好ましくない”働きが抑制されると考えられます。
さらに、過剰なエネルギーの燃焼が活発化される可能性も見出されましたので、こちらも研究が進んでいます。
また、活性酸素消去酵素やグルタチオン再生酵素などの生体内抗酸化関連酵素の活性も上昇し、血清や肝臓の脂質過酸化度が低下することも分かりました。







